スクール・エイド・ジャパン(SAJ) NPO法人SAJの過去の実績です


2007年9月30日から10月17日までの17日間、カンボジア調査に行った際のスタッフレポートを紹介します。


▼雨季のカンボジア
日本では今年の夏は異常なほどの猛暑日が続きましたが、カンボジアでも異常気象が続いています。毎年10月頃に1ヶ月間カンボジアへ支援調査のため渡航していますが、この時期はカンボジアでは雨季にあたり、例年は晴れた空に真っ黒な雲がモクモクと湧いて来たかと思うと、前方が見えないほどの激しいスコールが2〜3時間続き、後はカラッと晴れてギラギラの太陽が照りつける、というような天気でした。今年は朝からどんより曇って、日照も弱く、しとしと雨が降り続くそんな雨季でした。日照不足のため、米の発育も悪く、病気も発生して、農家は収穫を気にしていました。支援調査でも、プレイヴェン州のカンムリエン小学校へ向かう途中に長雨の影響でたくさんの水が道路にたまり、粘土状になり、そのうえ道も狭く車では先に進めずに、歩いて迎えに来てくれたアッテ・レイト校長先生と話合いの結果、校舎建設を延期しました。カンムリエン小学校は乾季になり、車が通れるようになり次第校舎建設をする予定です。



▼新規学校調査・再調査・建設校伝達
今回の調査では、新規調査5校・再調査8校・建設校伝達6校の小中学校を訪問しました。2007年4月の調査に引き続き10月10日に再訪問した、バッタンバン州・トモコール郡にある、ポーイ・セタイ小学校は、1993年に建設された学校で、児童数は335人です。校舎の壁は土に藁を入れたブロックでつくられており、窓や扉は一つも入っていません。ミーセン校長先生によると、「強い風が吹くたびに校舎全体が揺れ、児童が学校に来て勉強することを怖がっています。また雨季には雨漏りと、トタン屋根を打つ雨音が強く、授業がしばしば中断して、授業に集中することができない」と話しています。さらに新任の先生が政府から派遣されても、校舎の状況に不安を持ち、すぐに他の学校へ移ってしまうとのことでした。スクール・エイド・ジャパンでは、引き続き調査を続け、学校建設支援を検討していきます。




10月8日にコンポンチュナン州にあるスメット小学校に学校建設の伝達のため訪問しました。スメット小学校は木造の校舎が2棟とコンクリートの校舎が1棟あります。木造校舎の1棟は老朽化のため、雨漏りがします。また校舎の柱や壁が腐り1教室は危険なため使用することができません。教室不足のために、同じ敷地にある幼稚園3教室のうち1教室を借りていますが、来年度には幼稚園に入園する子どもの数が増えるために、このまま借り続けることは難しい状況です。午前と午後で児童を分けて2部授業をしているこの学校にとっては、この教室不足も深刻な問題となっています。スオン・チュン校長先生・建設促進委員会・村長・村人が集まるなか、学校建設の伝達を行いました(※学校建設支援校の決定は、現地で3回の調査をした後に、日本の理事会で報告をし、承認を得ています)。スクール・エイド・ジャパンでは現地の人々とともに協力した学校建設を目指しています。スメット小学校では、校舎建設の土台となる土入れの作業や、完成した校舎で使用する新しい机と椅子の(児童用80脚先生用4脚)全ての手配をしてくれることを、校長先生や村人のみなさんが約束してくれました。校舎の建設費が大幅に値上がりした今、大変嬉しいことだと思っています。スクール・エイド・ジャパンではスメット小学校に鉄筋コンクリート4教室の新校舎を建設します。2007年後期はカンボジアに、スメット小学校のほかに6校の学校建設が進んでいます。2008年3月完成後に、カンボジア政府に贈呈する予定です。
新校舎の建設は、現地の複数の業者からの入札により決定しています。しかし今回の入札金額は今年3月の同規模の校舎と比較して約19%も上昇しています。これは、プノンペンにおける物価の上昇に伴い業者が購入する建設資材も高騰しているためです(例えば建設に使用する鉄の値段は1,027,200円から1,216,800円となり、189,600円値上がりしました)。建設用の資材だけでなく、お米などの食糧やその他の日用品も値上がりしています。お米は2年前に1kgが1,000リエル(約30円)でしたが、今は1,500リエル(45円)になっています。学校建設支援やお米支援など、今後の支援計画にも影響がでることを懸念しています。



▼学校贈呈式
今回のカンボジア支援調査では2007年10月に建設し、完成した9校のうち6校でカンボジア政府への贈呈式を行いました(合同による贈呈式を含みます)。台湾和民(三商和民股イ分有限公司)様ご支援によるウオッチャ小学校、松姫和彦様ご支援によるオータキー中学校とコンポンスワイ中学校、馬場信治様ご支援によるチュラップ・コントウ小学校、一口10万円の学校建設寄付ご支援によるチョムロック小学校の贈呈式などです。バッタンバン州のオータキー中学校贈呈式には、カンボジア政府からソー・ケーン副首相が出席をし、学校建設支援に対する感謝の言葉をいただきました。ウオッチャ小学校の贈呈式では、児童、先生をはじめ近隣の村人、カンボジア政府からもお祝いに参加をしてくれました。子どもたちは民族舞踊を三種類(歓迎の踊り、田植えの踊り、孔雀の踊り)も披露してくれました。贈呈式に駆けつけてくれた台湾和民の皆さんもお礼に踊りを披露し、子どもたちや先生たちも輪の中に入り一緒になり、とても和やかな贈呈式となりました。


▼「夢追う子どもたちの家」スクール・エイド・ジャパン孤児院建設状況
2008年3月にカンボジア・ポーサット州に開園予定の「夢追う子どもたちの家」の施設の建設状況の確認をしました。子ども宿泊棟、職員の部屋、図書室、食堂などの施設は全工程の7割ほどが終わっている状況です。施設中央にある、中央ホールは2割ほど建設が進んでいます。これは他の棟を建設する際に邪魔にならないように最後に建設するためです。この施設の建設を請け負っていただいたラ・バンナ建設社長に、2008年1月には庭の整備などを除いて、施設が完成するとの確認をしました。施設の完成後には備品の搬入を行い、職員が集合後、2月上旬に入園する子どもたちを各地に迎えに行き、2月中旬から運営を始める予定です。


▼孤児の調査
今回の調査でも引き続き「夢追う子どもたちの家」に入園する子どもの調査を行いました。村長や学校の校長先生の紹介で、15人の子どもたちと育ての親に話を聞きました。10月2日にポーサット州で面談をした小学校2年生の女の子(写真上)は、3年前に両親がマラリアで亡くなり、今は70才のお婆さんと暮らしています。お婆さんが家の屋根や壁に使用するヤシの葉を編み、売ることで生計を立てていますが、生活は大変厳しいとのことでした。女の子も毎日お婆さんの仕事を手伝っています。お婆さんは本人のためを思い、入園をさせてあげたいと話していますが、女の子は面倒を見る人がいなくなるの入園はできないと言いました。スクール・エイド・ジャパンでは、入園するにあたり、育ての親の了解と、本人の意思を必ず確認をしています。これは入園後に子どもたちが自分たちの力と意思で自立した生活を送れるようにするためです。お婆さんと女の子には、入園する子どもたちはお正月やお盆の時期は実家に帰れることや、育ての親はいつでも子どもに会いに施設に行けることなどを説明し、決して強制ではないので次回訪問までに意思を聞かせてほしいとお願いをしました。10月17日にプレイヴェン州の家を訪問した、小学校3年生の男の子(写真下)もお婆さんと一緒に生活をしています。両親は結核のために男の子が生まれて間もなく亡くなりました。生後5ヶ月の頃から面倒を見ているお婆さんは65歳で、石砕きの仕事をして生計を立てていますが、10日で5ドルほどの収入では、食べていくのもやっとの状況です。男の子はお婆さんの仕事を手伝いながら学校も休まずに通い、成績は学年で一番ですと話してくれました。母親代わりとして男の子を育ててきたお婆さんは、今年3月の訪問の際には、「別れるのが寂しく、入園はさせたくない」と言っていましたが、今回の訪問では「この子の将来を考えて、入園させてください。」と話してくれました。男の子も「勉強が好きで、続けたいので入園したい。」と言っています。スクール・エイド・ジャパンでは、来年の2月に迎えにくることを伝えました。お婆さんからは「是非施設を一度見てみたい。」との要望がありましたので、来年1月に、完成した施設を見ていただく予定です。


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